『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』を読んで

教育・子育て・遊び

どうも。しゅんすけです。
今回は足るを知る暮らしを実践していく中で、暮らしの参考になる本、影響を受けた本の紹介と、読後の感想を、ごくごくシンプルに語っていくコーナーです。(^^)

読んだ本ばかりたまって、紹介が追い付かなくなりそうですが、今後も時々あげていこうかと思うので、タイトルを見て「あ、興味あったけど時間がなくて読めてない本だ!」とか思った人は、映画の予告編を見るくらい軽い気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。笑

では初回は、ゲイブ・ブラウン 氏が書いて、 服部 雄一郎 さんが翻訳した『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』です。

どうぞご覧ください。

大地を再生させるリジェネラティブ農業

この本は農業のことが書かれた本です。
それも「リジェネラティブ農業」の話で、リジェネラティブ農業の本質的な話から、具体的な実践方法までをまとめられています。

リジェネラティブ農業とは、日本語で言うと環境再生型農業とでも訳すことになるでしょうか、農薬や化学肥料の使用を控え、土の健康を考えた農業を行うことで、地球環境を再生する農業のことです。

今流行のサスティナブル(持続可能)という言葉と比較すると、今の現状を持続させていくだけではなく、再生させていくという意味が込められていますね。

以前参加した、環境保全フォーラムでも、既に環境は保全のステージではなく、修復していかなければならないという話も聞きましたが、まさにこれがそのことだと考えています。

ちなみに、一般的な栽培方法(農薬や化学肥料を規定内の量使用)で今まで通り行われる農業が「慣行栽培」。農薬や化学肥料の使用を控えて行うのが「有機栽培」などの仕分けがありますが、調べてみるとけっこう曖昧な部分も多く、ふたき草として実践している「自然栽培」も明確な定義があるわけではなさそうです。

で、そんなリジェネラティブ農業ですが、このあと紹介する土の健康5原則を基本に実践していくことで、土に栄養を取り戻し、安心かつ栄養価の高い野菜を栽培することのできる農法です。

では、その土の健康5原則を確認していきましょう。

土の健康5原則

土に栄養を取り戻し、農薬も化学肥料も必要としないリジェネラティブ農業を実現させるためには、次の5原則を守る必要があります。ひとつずつ紹介していきます。

土をかき乱さない

1つ目の原則は「土をかき乱さない」です。
どういうことかというと、土を耕さないということです。不耕起栽培という言葉を聞いたことはあるでしょうか。日本でも色々な場所で実践が始まっている栽培方法で、土を耕さないことで土の構造を守り、栄養がなくなることを防ぎます。特に土は微生物の住処になっているので、無闇にかき回すと、この微生物を失ってしまうことにもなりかねません。

土を覆う

次の原則は「土を覆う」です。
なにで覆うかと言うと植物です。本の中では「カバークロップ」という言葉が使われていましたが、土の表面に植物を残すことで、土を守り水分を保ち、生物の住処を保持してくれます。

多様性を高める

第3の原則は「多様性を高める」です。
最近よく聞くようになった「多様性」という言葉ですが、大地の再生にも大きな役割を担っています。自然界では、それはもう多様な植物、虫、動物たちが入り混じって暮らしています。一方、一般的な栽培地では単一の品目だけを栽培することが多いです。しかし、生物の多様性が失われると同時に土の栄養もなくなり、最終的には野菜が育たなくなってしまいます。

土の中に生きた根を持つ

第4の原則は「土の中に生きた根を持つ」です。
一般的な栽培では、収穫が終わると、次の栽培までの期間、何も育てないということがあります。しかし、そうなると一定の期間土の中に根がない状態が続き、土に栄養を送る循環がなくなってしまいます。土の保水力を高め、有機物を増やすためには、この土の中に生きた根を持つことが重要になってきます。

動物を組み込む

最後の原則は「動物を組み込む」です。
これはちょっと、すぐに実践できるイメージもないんですが、動物を組み込むことで(本の中では牛を飼っていました)より、自然に近い形で栽培ができるというメリットがあります。

以上5つの原則を守ることで、土の健康を保ち、安全で栄養価の高い食材を栽培できることと、地球環境も守ることができると書かれていました。

読んでみた感想としては、全て実践できることばかりではないけど「土の再生」という言葉には興味がわきました。

今年自分で野菜を栽培する際は、この原則を意識した中で実践してみたいと思います。

農業も暮らしも自然から切り離して考えることはできない

ということで、『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』の紹介でした。
実際の内容には、なぜ筆者がリジェネラティブ農業を始めたのかというストーリーや、科学的な根拠に基づいた実証データなども交えながら話が進んでいくので、とても読みやすく、納得感のある内容だったと思います。(^^)

そして、今回学んだ農業も、ぼくたちが実践している暮らしのことも、自然と切り離して考えることはできないんだと改めて感じました。

2024年は元旦から、そのことを思い知らされたわけです。
自然災害は人の力ではどうすることもできない。だからこそ、災いを防ぐ「防災」ではなく、災いに備えて減らす「減災」なんて言葉があるんでしょう。

日々の暮らしの中でも、自然を感じ、自然に寄り添った暮らしをしていくことで、日々の健康や、有事の際の身の安全を図ることができるかもしれません。

自然を観察し、何かを感じ取る感性を磨いていきたいと思います。(^^)
では、今回は以上です。

PS.
本当は、紹介した本の表紙も載せたかったところなんですが、著作権がありますので、今後も本の表紙は掲載しません。
もし、本に興味がある人は、タイトルや著者名で調べてもらえれば幸いです。(^^)

(しゅんすけ)