忙しい日々に追われていると、ふとした瞬間に無気力になってしまうことはありませんか。「私のやりたいことって?」と自分が分からなくなった時は「足るを知る」ことで見えてくるものもあるかもしれません。ここでは、我が家が足るを知る暮らしを実践する中で感じた「足るを知る」ための3つのポイントを紹介してみたいと思います。
足るを知るの意味・読み方、由来について
足るを知るは(たるをしる)と読み、身分相応に満足することを知るという意味です。足るとは、十分・満足という意味なので、「今の自分の現状を知り、その現状に満足する」と解釈することができます。
足るを知るは、中国の思想家「老子」の「足るを知るものは富む」という言葉が由来です。
欲望には際限がなく、求め続けていては心が満足することはないが、欲張らずに現状に満足することができれば、心も満足し豊かに生きることができるという意味になります。
足るを知る生き方・暮らし方とは
足るを知る生き方・暮らし方とは、今自分が持っているもの(収入、食べ物、旅行、スマートフォン、人間関係などのあらゆるもの)で十分だということを知り、満足する暮らしです。
もし、今欲しい物があったとして、その物を手に入れれば本当に満足できるでしょうか。もしかしたら一時は満足できるかもしれませんが、必ず次の欲望が湧き上がってきて不満が募ると思います。このサイクルにはまると、ずっと満足できずに心は貧しいままになってしまいます。
足るを知ると見えてくるもの
足るを知る暮らしを始めてみると見えてくるものは、自分が今持っている物です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、改めて自分の物と向き合うと、量の多さに驚きます。
いかに、自分のことを把握できていないかがわかり、どれほど不要な物が溢れているか。手に入れる前はあんなに欲しかったはずの服も、バッグも、ゲームも、ほこりを被ったまま。
新たな欲望に突き動かされる前に、今一度自分自身を振り返ってみると見えてくるものがあるんです。
足るを知る=向上心がないという誤解
足るを知るという考え方が嫌いな人は、「現状に満足ばかりしていたら向上心が失われる」と言います。しかしこれは誤解だと思います。
目標を持つことは良いことです。ああなりたい、あれがしたい、これが欲しい。様々な欲望は大きな原動力になります。ただ、どんな欲望にも節度が必要ではないでしょうか。湧き上がる欲望とその都度付き合っていたら、この節度が守れなくなります。
一度立ち止まり、自分の目標と欲望が一致しているか確認してみる。もし全く関係のないことだったら、今の自分には不要なものかもしれません。
貧乏とは心が満足しないこと
「世界で一番貧しい大統領」で有名な、元ウルグアイの大統領であるホセ・ムヒカ氏も「貧乏とは欲が多すぎて満足できない人のことです」。と語っているのを知っているでしょうか。
満たされることのない欲望を追い続けるのではなく、今ある現状に目を向け、自分自身の暮らしに満足する豊かな心を持つことが、足るを知る生き方・暮らし方だと考えています。
足るを知る暮らしを実践する3つのポイント
足るを知るという考え方を理解することは、それほど難しくありません。しかし、暮らしに取り入れるとなると様々な壁にぶつかります。実践したいけど上手くいかない人は、次の3つのポイントを意識してみてください。
- 本当にやりたいことを考えてみる
- なんでも代用できないか考えてみる
- 2週間続けてみる
本当にやりたいことを考えてみる
本当にやりたいことはなんでしょうか。本当に欲しいものはなんでしょうか。一度ゆっくりと考えてみると見えてくるものがあります。
本当にやりたいこと、欲しいものが明確になると、今目の前にある「やりたい・欲しい」も不要に思えることがあります。足るを知る暮らしの中で欲望が湧き上がったら、本当にやりたいことを考えてみるといいかもしれません。
なんでも代用できないか考えてみる
足るを知る暮らしは、足りないの連続です。何をしようにも「あれがない」「これがない」と感じてしまい、実践は不可能!と諦めてしまう人も少なくありません。
でも、ほんの少しだけ見方を変えると楽しく実践できることもあります。例えば、我が家にはバスマットがありません。その日に使ったお手拭きタオルを代用しているので不要となりました。
始めたころは、バスマットじゃなければ吸水力が弱くてダメじゃないか?と思っていたものの、いざやってみると意外とストレスがない。なんでも代用できないか考えてみる癖をつけるだけで、足るを知る暮らしがグッと近づきます。
2週間続けてみる
まずは2週間続けてみること。これはなんにでも言えることですが、新しいことを始めるのに数日やそこらで効果を求めるのは焦りすぎだと思います。
まずは2週間。自分の中で習慣化されるまでは続けてみることをおすすめします。最初の頃はストレスに感じていた暮らしも、気がついたら全く気にせず生活できていたということはよくあります。
2週間続けてみても、やっぱり厳しいと感じるのであれば、その時にやり方を変えてみましょう。そこまで続けることで、厳しいと感じた原因もはっきり見えてくるはずです。
我が家の足るを知る暮らし
我が家も足るを知る暮らし実践中の身なので、全然完璧ではありませんが以下のような実践をしています。
- 炊飯器を持っていない
- 掃除機を持っていない
- 食器用洗剤を使っていない
- 紙おむつを使っていない
- 湯シャンしている(夫のみ)
- サランラップを使っていない
- ティッシュペーパーを使っていない
挙げればまだまだありますが、2年前までは上記のほとんどは持っていたし、使っていました。でも暮らしをを見直す中で不要と判断し、今ではないことに気がつかないほど生活の中から消えていきました。
始めたころはストレスがあると思います。我が家でも「極端な夫」の急な断捨離に妻がついてこられず、何度かバトルがありました・・・。でもそれらも乗り越え、今では豊かな暮らしを過ごせています。
足るを知る暮らしは、本当の豊かさを知る暮らしだと思っています。興味のある方はぜひ、自分の始められることから始めてみてください。